精神科医・和田秀樹「日本人は上昇志向なくなった。受験競争時代のほうがマシ」

林真理子

2022/08/19 07:00

和田秀樹さん(右)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)
和田秀樹さん(右)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)

 長年、高齢者医療の専門医として働きながら、受験・教育界でもご活動なさり、さらには映画監督としての顔も持つ精神科医・和田秀樹さん。旧知の仲である作家・林真理子さんとの対談は、自然と話も弾みました。

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*  *  *

林:和田先生は今度「エンジン01」(文化人のボランティア団体)の幹事長に、私に代わってなっていただきましたけど、私たちがよく知ってる三枝成彰さん(80歳)を見ていると、ああいう生き方もいいなと思いますよ。やりたいことをやってわがままなのに、みんなに慕(した)われて楽しそうにしているというのは。

和田:いいと思います。高齢になって「人に迷惑かけちゃいけない」と思って遠慮すればするほどボケた状態になるから、結果的に早く迷惑をかけるかもしれない。好き勝手に生きて、少しでもそうなるのを遅らせるのが、意外に賢い生き方じゃないかと思う。

林:そうですよね。

和田:人との交流も大事なんだけど、イヤな交流は捨てられるのが高齢者のいいところで、会社を定年退職したらイヤな人とは付き合わなくてすむ。なのに、みんなで集まってゴルフなんかして、偉そうにしている昔の上司にペコペコしなきゃいけないなんて、そんな付き合いはする必要ないと思うんです。

林:先生はよく「お金があるおじいさんはかわいそうだ」とおっしゃってますよね。「再婚したい」と言うと、息子や娘が「絶対ダメ」って言う。だけど、お金がないと「いいじゃない」ってみんな賛成してくれる。どっちが幸せかといえば、後者のほうですよね。

和田:おっしゃるとおりですね。僕は「金持ちパラドックス」と呼んでるんですけど、お金があれば人はついてくるはずだと思っても、本格的に年をとってくると、そのお金を子どもたちに使わせてもらえなくなるんですよ。

林:子どもたちが印鑑を持って。

和田:そう。だからお金なんかあてにするより、どれだけ人に好かれるかが大事なんです。

林:先生は東大医学部という偏差値がいちばん高いところを出て、いま高齢者医療で名を成してますけど、謙虚でやさしいお人柄ですよね。昔は、もっと傲慢(ごうまん)なところもあったんですか。

和田:かなり傲慢で(笑)、だから友達が少ないんです。若いころはイヤなやつだったと思う。

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