室井佑月・作家
室井佑月・作家

 作家・室井佑月氏は、日本に巣食う旧統一教会の危険性を訴える。

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 安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、多くの政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の癒着が露(あら)わになった。

 教団は信者を洗脳し、破産するまでの多額の寄付金を募り、家屋敷を売らせ、寄付のためにローンを組ませたり、売春をさせたりしていた。

 霊感商法という、人の弱みに付け込む方法で。

 ちなみに、霊感商法は日本のみで行われたという。教団は韓国で創設され、世界展開をしている。が、その資金の7~8割は日本で作っていた。この国はいいカモだった。

 教祖の文鮮明の教えは、サタンの国の日本人に、過去に犯した罪の清算を献金によってさせる、といったものだった。そして、有名な合同結婚式。信者は自由に恋愛をすることも許されない。心の自由も完全に奪われた。

 あたしはどうしてこの教団と、保守と自分でうたう政治家が密接な関係になるのか、はじめは理解できなかった。

 国の富や女性を強奪していく韓国の教団。自称保守の政治家は、韓国には拳を振り上げて見せ、支持者の愛国心を煽(あお)っていたではないか。

 教団の教えは、反日だったらしい。つまり、保守政治家を応援していた者たちも、騙(だま)された者なのか。

 政治家たちは、団体との癒着を問われると、みな「知らなかった」と答えた。そして、「信仰は自由だ」と問題議員を庇(かば)う者や、「今、統一教会を叩くことは、テロリストの要求をのんだことになる」といい出す者も現れた。彼らもまた、自称保守政治家に洗脳されているのかもしれない。

 人の心は自由なので、当然、その信仰も自由だ。しかし、すでに挙げられている被害者数や被害額を考えれば、もうこの団体は宗教というより、宗教を隠れ蓑(みの)にした反社会的集団といっていい。

 そんな団体と手を握った政治家は、自分を恥じ、責任を取るべきだ。とくに、団体の集会に出て賛辞を送り、広告塔の役割をした者は。

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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