カナダの国旗と街並み (GettyImages)
カナダの国旗と街並み (GettyImages)

 自身もバンクーバーにロングステイした経験を持つ海外生活ジャーナリストの飯田道子氏は、こんな利点を語る。

「ニューヨークと比べ物価が安いのが魅力。お酒や贅沢品は高いですが食材には消費税がかからないので、外食せず自炊で慎ましく暮らせばお金もあまりかかりません。住居も30万円くらいあればセキュリティーのしっかりしたところに住めます」

 新天地としてふさわしいかに思えるカナダ。だが、そこにはやはりビザの問題が立ちふさがる。いくら信頼できる大使がいても、こればかりは自力で何とかするほかないはずだ。飯田氏が語る。

「恐らく、小室夫妻が取得できるビザは観光ビザ以外ほとんどないのでは。以前はお金を持っていれば投資家ビザで移住できましたが、現在は中断されています。最終手段として、学生ビザでまたカナダの大学に入り直す方法はありますが……」

 小室さんがカナダで法律関係の仕事に就くことも、難しいという。

「カナダなど英米系の法体系を基礎としている国では、米国の法律知識が部分的に役立つことはあります。しかし、司法試験に合格していない以上、小室さんはただの『知識のある日本人』にすぎない。米国とカナダの法律は全く違いますし、日本法についてアドバイスできる資格があるわけでもないため、ほかの国で雇用されるニーズはあまりない」(樋口弁護士)

 現地の反応も「ウェルカム」ばかりではないだろう。小室さんはメーガン妃と同じ「ゴールドディガー(玉の輿)」だと酷評するカナダのネットメディアもある。実際、カナダに移住したハリー王子とメーガン妃もその警備費用を税金で負担していたことから非難が殺到し、米国カリフォルニア州に転居することになった。

 やはり一筋縄ではいかなそうなカナダ移住。それでも、実現する可能性がないわけではない。

「スキルドワーカーのビザでは専門職として10年以内に1年以上のフルタイムの職歴が必要。小室さんの法律事務では難しいので、ビジネス関係で審査を通すのであれば眞子さんが頑張らないといけないでしょう。博物館の学芸員など専門性を生かした仕事でフルタイムで働けば、可能性はあります」(飯田氏)

 結婚会見で「心穏やかに過ごすことの出来る環境」を望んだ眞子さん。はたして安住の地は見つかるのか。(本誌・佐賀旭)

週刊朝日  2022年4月29日号