監督 ケネス・ブラナー/25日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/127分 (c)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
監督 ケネス・ブラナー/25日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/127分 (c)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 2017年の「オリエント急行殺人事件」に続き、ブラナーが監督、プロデューサー、そしてポアロ役を務める「ナイル殺人事件」。ピラミッドやスフィンクス、ナイル川、アブシンベル神殿といったエジプトの名所をバックにした映像も見どころ。

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 莫大な遺産を相続したアメリカ人の美女リネット(ガル・ガドット)が、ナイル川を行く豪華客船の船室で殺害される。親友のジャクリーン(エマ・マッキー)から、ハンサムな婚約者サイモン(アーミー・ハマー)を奪っていたリネット。ハネムーンで向かったエジプトで2人を待っていたのは、嫉妬と怒りに燃えるジャクリーンだった。

 しかし、事件の夜、ジャクリーンには完璧なアリバイがあった。客船に乗り合わせた私立探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)は、その船には、リネットを殺害する動機を持った者が何人も乗船していたことを知る。ポアロが徐々に真相に迫るなか、やがて第二の事件が起こるのだった……。

監督 ケネス・ブラナー/25日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/127分 (c)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
監督 ケネス・ブラナー/25日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/127分 (c)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
ちょっとずつ違えていても贅沢・観光・殺人ミステリーに力が入る原作通り。冒頭のポアロのエピソードはどうかと思うけど、誰にもわかる犯人にはアリバイがある仕立ては楽しく思いのほか厚みのあるドラマが生まれている。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
ミステリーを重視すれば動機やアリバイが中心になるが、ブラナー監督は人物たちの愛憎を掘り下げ、探偵ポアロの頭脳だけでなく感情、さらには口ひげの起源まで描き出す。濃密なドラマは結果を知っていても見応えがある。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
アガサ・クリスティは子どもの頃から好きだったので、この話のオチも知っていましたが、それでもすごく面白かった。うまく練られた物語にのめり込んで、キラキラしていて、お金持ちの世界にわくわく。帰りはシャンパンを。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
正直あまり期待していなかったが、娯楽作品としては高水準で嬉しい驚き。作り手側が精魂込めて作っているのが伝わってきて素晴らしい。ケネス・ブラナーは幅広いジャンルを手掛けているが、その才能にあらためて感服。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年3月4日号