小泉今日子 [撮影/写真部・加藤夏子、ヘアメイク/宮田靖士(THYMON Inc.)、スタイリング/藤谷のりこ、取材協力/スパイラル]
小泉今日子 [撮影/写真部・加藤夏子、ヘアメイク/宮田靖士(THYMON Inc.)、スタイリング/藤谷のりこ、取材協力/スパイラル]

 来年でデビュー40周年を迎える小泉今日子さん。世の中に貢献することも、無駄だと思わずできることから始めてみるという。こんな大人がいる限り、未来はきっと明るい。

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 10月30日、小泉さんが代表を務める株式会社明後日のツイッターで、こんな一言がつぶやかれた。

「いよいよ明日が投票日。未来のためにGo Vote!」

 1966年生まれの小泉さんは、自分たちのことを「目まぐるしく社会が変化していく様子を、一番贅沢に目撃することができた世代」だと感じている。でも、自分たち以降のいわゆる「就職氷河期」と呼ばれた後の世代は、夢を見たくてもなかなか見ることができなくなってしまった。

「私が幼かった頃は『21世紀という未来に向かって、世の中はどんどん豊かになっていくよ』と、そんな夢ばかりを見ることができました。手塚治虫さんなど、漫画の世界には、21世紀という夢がたくさん描かれていた。空を見上げたらそこに、“21世紀”と書いてあるような、ピカピカの明るさがあった。でも、私たちより10年ほど後に生まれた人たちは、未来がどんどん閉じていくような感覚のなかで育っていっている。私自身が時代の変化に気づくのが遅くなってしまって、今の世の中を見ていると、大人として申し訳ない気持ちになります。もっと早く『若者が大志を抱けない』状況に気づいて、何か手を打つべきだったんじゃないのかな、と」

 そんな反省も込めての、「選挙に行こう!」という呼びかけ。自分にできることなんて、ほんの小さな一歩に過ぎないことはわかっている。それでも、やらないよりはやったほうがいいと小泉さんは考える。

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