最後に投げた球に、彼の生きざまを見ました。使い果たしたんだろうな。ほんとに長い間、横浜高校のころからみんなを感動させてくれた。夏の甲子園の決勝でノーヒットノーランを達成して春夏連覇ですから。印象の強さが尋常じゃない。

 独特のカリスマ性もあって、大ちゃんの同級生でやってきた人たちは「松坂世代」って呼ばれてね。彼らは自分から「僕、松坂世代です」って言いますからね。

 大ちゃんのプロデビュー戦は現地で観戦しました。いま「週刊朝日」の隣のページで連載してる東尾修さんが西武の監督だったので、チケットをとってくださって。当時は大ちゃんと面識はなかったけど、のちにゴルフを通じて会いました。

 おっとりしてて優しくて、どうやったらこの人からあのマウンドでの迫力が出てくるんだろう、なんて感じてましたね。悔いはないでしょう。大ちゃん、ありがとう。

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

週刊朝日  2021年11月5日号

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丸山茂樹

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丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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