──稔は英語が堪能で、家業の海外展開を志す大学生の設定。ご自身はどんな学生でしたか?

 一人で教室の一番前のど真ん中に座ってるような生徒でした。ふざける相手がいなかったっていう話でもあるんですけど。だからひたすら勉強に打ち込んでいました。

 友達いなかったですね。思い出は……、あんまりないかもしれない。一番印象深い学びは、数学って授業を受けるよりも自分でテキストを解くほうが覚えがいいなって気づいたことです(笑)。

──英語力は?

 小学生のころ、英会話教室に通っていました。母に「興味ある?」って言われて、「やりたい」って言ったんでしょうね。うち、本人がやりたいって言わないと絶対やらせない家だったので。

 ここ数年も定期的に勉強していて、なんとなく土台はある状態だったんです。でも、時代が変われば、日本語と同じように英語も違うので、発音やイントネーションに関してはレッスンを組んでいただきました。(SixTONESメンバーの)ジェシーは英語話せますけど、結局現代人なので……。逆に彼の発音は聞かないようにしてました。

 たとえば“little”の読みって「リロー」って感じですけど、昔はもっと“t”を発音して「リトゥー」って言っていた。日本語の「なにそれ」が「なんそれ」に変わってきたみたいなことが英語にも起きていて。

 もしかしたら自分の英語は、今でも朝ドラ仕様になったままかもしれないですね。ネイティブのかたには「おっさんかな?」って思われるかもしれないけど、美しい発音なので悪くないかなってとらえてます。

──稔と同じく、SixTONESも海外進出を目指していますね?

 そうですね。ただ、日本で一定のレベルにたどり着いたから、じゃあ海外へいざ!というイメージではないんです。今、自分たちの出発点や住所は日本で、そこから少しずつ世界中にファンのかたが増えればいいなと。昔々に誰かが定めた国境なんて関係なく、より多くの人にSixTONESの活動を届けたい、というふうに捉えています。

(構成/本誌・大谷百合絵)

週刊朝日  2021年10月29日号