「歴史と格式のある現場に挑む、相当貴重な体験をしたなあって」。SixTONESの松村北斗が、来月スタートのNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演する。主人公の運命を動かす青年、雉真(きじま)稔を演じる松村。両親や兄のほっこりエピソードや、「ザコキャラ」なる自己分析を明かした。

【写真】松村北斗さんが飾った週刊朝日の表紙はこちら

*  *  *

──初めてのNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)の現場はいかがでしたか?

 まず、台本が濃密でした。15分しかない一話一話の中に物語の展開があって、メッセージがこもっていて、喜怒哀楽がごろごろ変わる。1時間、2時間のドラマを作るのとはわけが違くて、余白が許されないことにものすごく翻弄されました。

 朝ドラの雰囲気って、のほほんとしていることが多いじゃないですか。でも現場でのほほんとしてる人なんて一人もいなかったと思います。(台本を)書くほうも演じるほうも怪物だなって思いましたね。

 あと、何人ものファンのかたが「これを通じて祖父母と同じ会話ができるんだ」って言っていて、はっとしました。自分を媒介して、松村北斗というものを使って、世代を超えて同じ話がされるんだと思って。そういう自覚と責任感が芽生えました。

──雉真稔という役を演じて何を感じましたか?

 大企業の社長の長男として大成の道を歩き始めているように見えて、稔はまだ成長しきれてないところや危うさもあるなーと思いました。

 しっかりするべきところでしっかりしなきゃと思う気持ちは、すごくわかる。周りが望む自分、これが正解だろうと思う自分がどんどん積み重なって、ほんとはこういう姿が楽なのになーという自分の根っこの部分が下のほうに沈んでいってしまう。そういう感覚は、きっとみんなあるだろうなと思いますけどね。

 たとえば、よく「クールでかっこいい」って言われるんですけど、いや俺クールじゃないんだよなーと思います。むしろ、クールな人を「Whoo! かっこいい!」って茶化しちゃうほう。

次のページ