そういう気遣いや、何かに立ち向かうたくましさがあるからこそこの世界で生き残れると思うし、尊敬します。リーダー像を考える上では参考になる二人ですね。
あとは、リーダーらしい重量感のある体つきになりたいと思ってジムに通うようになりました。そろそろほどよいところに来たかなと思います。凝り性だから、あんまり自分に火をつけるとやばいことになっちゃう(笑)。上裸になることはたぶんないですよ!
──物語ではニュージーズと、権力を持つ大人との闘いが描かれます。京本さん自身はもう大人?それともまだ子ども?
子どもですね。はちゃめちゃに。自分で言うのも恥ずかしいんですけど、純粋なんですよ。人に言われたことは「へー、そうなんだ」ってだいたい信じちゃう。
10代の頃はもっと疑っていたし、物事を斜めから見てました。でも二十歳を超えたここ数年で「信じちゃう病」にかかりましたね。冗談や嘘もそのまま信じて、後で「ふざけんなよ!」ってなることが増えました(笑)。
昔はプライドが高くて、自分が正解を知っていると思っていたんです。「俺をもっとこうしてくれよ」っていう自我も強かった。でも次第に、他の人の意見って視野を広げてくれると思うようになって。
自分にもできてないことがいっぱいあると気づいてから、SixTONESのメンバーにも周りの大人にも「ああしてこうして」と言わなくなりました。
むしろ自分ができないことを恥ずかしげもなく言えるようになった。メンバーや友達、城田優さんをはじめとしたさまざまな共演者の方との出会いのなかで、少しずつ変わっていったと思います。
──理想の大人像は?
理想よりは、「こういう大人になりたくない」像がたくさんあります。
ガミガミ怒ったり、子どもや動物に冷たかったり。「この人どうしようもないな」っていう大人を街中やニュースで見て、その都度「こうはなりたくない」って思ってます。
自分が今ちゃんとできているかはわからないけど、尊敬できない大人を見たときに嫌だと思えることが大事なのかなと。その感覚が、無意識のうちに行動を変えていくと思います。
(構成/本誌・大谷百合絵)
※週刊朝日 2021年10月1日号