SixTONESの京本大我さんは、「舞台のことなら京本に聞く」とメンバーが信頼を寄せるほど、数多くのミュージカル作品に出演してきた。だが本人の口からは「やりたいのかって言われると、わからない」という意外な言葉が──。今秋、ディズニーの大ヒット作「ニュージーズ」の日本公演で主役に挑む京本さんに、思いと覚悟を聞いた。

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──ミュージカル作品の出演経験が豊富ですが、やはり自分の強みであり極めたい道?

 強みって言いきれるほど、まだ結果は出せていないです。ミュージカルって、歌、ダンス、芝居の三つが平均点以上の力を持っていないと通用しない。ドラマや映画なら台詞を噛んでも「もう一回お願いします」って言えるし、アップに映したりと編集もできる。映像ならではの大変さはあるけど、ある程度クオリティーが保証される安心感があります。

 でも舞台はナマモノで、お客さんからすべてが見えるからごまかしがきかない。ぼろも出やすい。だからこそ、鍛えられるんです。力をつけるなら俺にはミュージカルがいちばん合ってるかなと思います。

「やりたい」というよりは「やるべき」ですね。やりたいのかって言われると、わからない。大変だから。なんでこんな苦しいことを続けてるんだろうって我に返ったら終わりです。だけど今の自分にとって、やるべきなのは間違いないなって。

──「ニュージーズ」は元々、昨年5月に上演予定でしたがコロナ禍で全公演中止になりました。

 稽古が始まって1カ月くらいで中止が決まりました。いつかリベンジできるかもとは思ってなかったです。世の中が落ち着く気配はないし、キャスト全員が再集結できるタイミングが次にあるかもわからない。

 正直、なかなか気持ちを切り替えられませんでした。小池(修一郎)先生が演出を手がける作品で主演を務めるという夢が叶うチャンスだったんです。2015年に小池先生の「エリザベート」に初めて出て、そこから繋(つな)いで繋いで繋いでようやくたどり着いた。

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