7月4日投開票だった都議選は、東京五輪に厳しい批判をしている党が票を伸ばす結果となった。当然だ。

 しかし、この地獄の東京五輪を招致した戦犯の安倍前首相は、「反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」とある月刊誌の対談で述べていた。

 望むなら東京五輪を生で観戦でき、コロナに感染したら優先的に処置される人、税金の横流しを受けもうかっている者、カルトのような妄信的な応援団だけが愛国者だと?

 頭の物差しがおかしいとしかいいようがない。まだこの人を持ち上げる人が、結構いることが不思議でならない。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2021年7月23日号

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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