全国の半数の市役所が豪雨で水没 災害対応に支障きたした前例も (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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全国の半数の市役所が豪雨で水没 災害対応に支障きたした前例も

15年の関東・東北豪雨で水没した茨城県常総市役所の本庁舎 (c)朝日新聞社

15年の関東・東北豪雨で水没した茨城県常総市役所の本庁舎 (c)朝日新聞社

(週刊朝日2021年7月16日号より)

(週刊朝日2021年7月16日号より)

(週刊朝日2021年7月16日号より)

(週刊朝日2021年7月16日号より)

 7月3日、記録的な豪雨にともない静岡県熱海市で発生した大規模な土石流は、すさまじい勢いで街をのみ込んだ。3日現在、女性2人が亡くなり、約20人の安否がわかっていない。

【一覧で見る】全国の主要都市で豪雨リスクのある役所はこちら

 こうした水にまつわる災害は、日本全国で起こり得る。

 最大規模の豪雨が発生した際の、全国の主要都市の役場の浸水リスクを調べた。調査には、大きな河川の洪水や高潮などを想定した国土交通省の「重ねるハザードマップ」を使用した。対象にしたのは、全国の政令指定都市と中核市、道府県庁所在地にある市役所。東京23区の区役所に加え、各区の出張所などの主な公的施設を調査した。

 調査対象のうち、災害時に中心的機能を果たす市役所や区役所の合計は108。その約半数にあたる55の都市の市役所と区役所が、豪雨時に浸水する可能性があることがわかった。『水害列島』の著書がある、リバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏は言う。

「災害が起きた時、市役所や区役所は住民の命のサポートをする拠点となる。そこが浸水するなど論外です。すぐにでも法律を改正し、浸水する地域をかさ上げするなどの対策をすべきですが、時間がかかります。それまでは災害時でも機能を失わないようにしなければなりません」

「役場なら水害対策ぐらいはしているだろう」と思う人も多いかもしれない。だが、数年前にも水害時に役場が浸水被害を受け、災害対応に支障をきたした事例がある。

 2015年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川堤防の決壊によって茨城県の常総市役所が浸水被害を受けた。同市ではこの豪雨の影響で2人が死亡、13人が災害関連死として認定されるなど大きな被害を受けたが、市役所が浸水したことで一時は災害対応が機能不全に陥ったという。同市防災危機管理課の小林弘課長は、当時をこう振り返る。

「豪雨の影響で停電が発生したのですが、1階にあった非常用の自家発電装置が浸水して使用できなくなり、災害対策本部の役割がうまく果たせなかった。市役所の周囲も水で埋め尽くされ、人・モノ・情報が届かず、職員の携帯電話も徐々にバッテリーが失われ、関係各所とのやりとりに苦労しました」


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