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![暑熱順化チェック (週刊朝日2021年5月21日号より)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/840mw/img_5951e1189f317f1044c704bb03756973143338.jpg)
![(週刊朝日2021年5月21日号より)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/840mw/img_623e185149ca6a7ef8cc97a976059c1371522.jpg)
日本気象協会は4月、熱中症予防に有効な「暑熱順化」のやり方をまとめたマニュアルをウェブサイトで公開した。暑熱順化とは、簡単に言えば「暑さ慣れ」のことで、徐々に体を夏モードに変えていくことを指す。そのほか、熱中症対策として行いたいことは?
【前編/今から始めないと手遅れに? 「暑さ慣れ」で熱中症予防】より続く
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暑熱順化とあわせて行いたい熱中症予防が、「夏バテ予防」だ。疲労を研究する東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんがこう言う。
「熱中症は体温の上昇で生じる急性の病気、夏バテは、夏に持続的に生じる体調不良で、一見、別のものに思えますが、いずれも自律神経の機能低下が関わっている。つまり、夏バテを予防すれば自律神経を健康に保つことができ、熱中症の予防にもつながります」
夏バテ予防といえば、やっぱり精のつくウナギや焼き肉だろう。しっかり食べて体力をつけたいところだが、梶本さんは「それは無意味」と一刀両断する。
「そもそも夏バテで体力が落ちるのは結果であり、根本にあるのは自律神経の疲弊です。ですから、精をつける食べものをいくら取っても、胃腸に負担がかかるだけで、根本的な夏バテ予防や解消にはつながりません」
では、何がよいかというと、梶本さんのおすすめは鶏のむね肉だ。含まれるイミダペプチドという成分が、ダメージを受けた自律神経を補修することがわかっている。
「むね肉100グラムで約200ミリグラムのイミダペプチドが取れます。これくらいの量を毎日取れば、自律神経が疲弊しにくく、夏バテを起こしにくいと考えられます」(梶本さん)
調理法は煮ても焼いてもOKだが、水溶性の成分なので、茹でたり蒸したりした際は、スープなどにして汁ごと取ったほうがいい。より効果を高めたいときは、ビタミンCやクエン酸が多いレモンや梅肉を追加する。鶏肉の梅肉あえや、チキンサラダのレモンドレッシングなどがいいだろう。