また、イミダペプチドはカツオやマグロなどにも含まれている。飽きないように交互に食べるのも手かもしれない。

 もう一つ、梶本さんが夏バテ予防で助言するのが、睡眠。いびきと寝汗に注意が必要だという。

 いびきをかいているときは吸い込む空気の量が減っているので、血圧や心拍に負荷がかかる。寝汗は体温の上昇のサインで、体温調節が必要になる。いずれも自律神経を休ませることができないことから、疲れを促進させてしまい、夏バテの原因になりやすい。

「自律神経の機能は加齢とともに落ちるので、高齢になるほど夏バテをしやすいといえます。自律神経は筋肉と違って鍛えられないので、負荷をかけない生活を心がけることが大事です」(同)

 具体的には、いびきに対しては節酒を心がける。お酒を飲むといびきをかきやすいからだ。そのほか、横向きで寝るのも有効だという。寝汗対策はエアコンなどで寝室の温度を下げるとよい。

 5月ともなれば、気温が25度を超える夏日がちらほら出てくる。また梅雨になれば、それほど暑くなくても湿度が高いので汗が乾きにくく、熱が逃げにくい。いずれも、熱中症のリスクはゼロではない。

 特に高齢者や持病がある人は熱中症にかかりやすく、注意が必要だ。「熱中症ゼロへ2021」プロジェクトの監修を務める帝京大学医学部救急医学講座教授の三宅康史さんが言う。

「高齢者はよく“暑くない、大丈夫”と言いますが、それはある意味、正しい。なぜなら、高齢になると加齢で代謝が落ち、食事量も減るので、体内で熱を作りにくくなる。その結果、寒がりになり、暑いほうが心地よいと感じるようになるのです」

 だが、寒がりだからといって室温を30度以上にしてしまえば、熱中症のリスクが高まる。感覚と体が求めているものは違うのだ。

 従って、「暑い」「まだ平気」と過信せず室温を28度以下、湿度は70%以下に保っておくこと。その際、大事なのはエアコンの設定温度ではなく、温度計や湿度計で確認すること。いつでもチェックできるよう、テレビの横やテーブルの上に置いておきたい。

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