岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モスタルの「平和の朝ニャ」です。

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 モスタルを象徴する「スターリ・モスト」。16世紀に架けられたそのアーチ状の橋は、民族紛争で破壊されるも、2004年に修復し、世界遺産となった。

 近くのレストランの軒下を寝床にしている、茶トラの兄妹と出会う。四半世紀経てもなお、紛争の爪痕が残る街角で、穏やかな朝の光が兄妹を包む。

 橋の下で川の水を飲む兄妹を撮影していると、突然、大きな音と水しぶき。橋から人が飛び込む、観光客向けの余興に、人々の笑い声が響く。驚いたが、平和な朝に猫たちと微笑んだ。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2021年4月23日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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