家じまいを決めた人々「バラ色な場所は自分次第」「年でできなくなる」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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家じまいを決めた人々「バラ色な場所は自分次第」「年でできなくなる」

大崎百紀週刊朝日#終活
ゆいま~る那須(ホームページから)

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「家じまい」大変度チェック (週刊朝日2021年4月9日号より)

「家じまい」大変度チェック (週刊朝日2021年4月9日号より)

 大好きなわが家に、死ぬまでずっといたい──。こう思うのは自然なことだ。でも子どもたちの負担にはなりたくないし、自由に生きたいからと「家じまい」をし、高齢者施設に入居する人たちがいる。自分自身で施設を選び、決断し、笑顔で暮らす3人を紹介しよう。

【該当が多いほど大変!「家じまい」大変度チェックはこちら】

 沖縄の言葉で「助け合い」を意味する「ゆいま~る」。サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)の「ゆいま~る那須」に作家の久田恵さん(73)が、入居したのは3年前。70歳になったら人生のステージを変えようと思っていた。取材でゲストルームに試泊した日の夜。風がビュービュー音を立てて吹いた。生まれ育った北海道の風の音が懐かしく思い出された。長屋形式の木々のぬくもり。個性的な庭。

「ここがいい!」

 ほとんど衝動的に決めた。ちょうど下の孫が小学校に入り、手も離れてきた。家を少し整理して息子家族に譲りつつ、自分の部屋を残した状態でやってきた。これまで暮らした一軒家への未練もない。というのも都内に家がありながら6年近くワンルームマンションを転々としていたからだ。もともと「最後までわが家で」という発想はなかった。

「多様で独特の価値観を持った人とのここでの暮らしが最高におもしろいです。少し前に深夜に震度5強の地震があったときも元看護師の入居者が『みんな、大丈夫?』って言いながら一部屋ずつ生存確認して回っていました。入居者たちで助け合い暮らしています。ここに来てから、私も仕事しなくちゃと、昨年はヘルパーの学校に通って資格をとりました」

 入居の目的も、利用の仕方も人それぞれだ。

 居室はバス・トイレ付き、キッチン完備の完全個室型で引きこもっていようと思えばできるし、どんなふうに利用しても自由。別荘のように「たまに泊まる」という利用の仕方もできる。コミュニティーになじめずに退去する人もいる。「思った以上に出入りが激しい」という印象だという。

「バラ色な場所なんてどこにもないと思っています。そこをバラ色にしたければ自分がやるしかない。自分次第です。そして、自分で選択をしたのであれば、誰のせいにもできない」


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