シンガポールの街を散策して、風景の映像と共に自身の声でナレーションを入れた形で展開した。ただ、全く顔が見られないわけではない。自身の有料制オンラインサロンでは引き続き、顔を出した形で出演するという。

「中田敦彦のYouTube大学」はチャンネル登録者数371万人。今回の決断に賛否両論の声がある。コメント欄には、

「確かに最近YouTube見るより聴いていることの方が多い。だからきっと支障無いと思う」

「むしろ本人がいないことで映像で工夫するための画面的な余白ができそう。ドキュメンタリーみたいな方向に進化していくのかな。どうなっていくのかすごく興味があります」

 と理解を示す書き込みがある一方で、

「まあそうだよね。顔出しし続けるのはリスクも当然ある。けど、動画はどうだろう? 再生回数稼ぐのも学習系だと同じような内容になったりしないのかな? 視覚的なリアクションがなくなるのは武器をひとつ減らすようなもんじゃないのかな?」

「音声だけになっても板書は残して欲しいです。議論の地図がないと今何を話しているのかわからないです」

 という指摘も。

 テレビ関係者は、

「中田さんは異端の芸人。現状に満足せず、常に時代を先読みする感覚があるので『顔出し引退』でも成功する手応えがあるのでしょう。中田さんが大好きな人たちはオンラインサロンで顔を見られるのでさらにプレミア感が出る。このやり方が成功すれば、追随するタレントやユーチューバーも出てくるでしょう。ただ、映像の力って想像以上に強いんです。声だけで以前のように動画再生回数が取れるかは未知数だと思います」

 と分析する。

「顔出ししないユーチューバー」として活動する中田の決断は吉と出るか。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事