「アポロン」の優雅な食堂 (提供)
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宮城県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)
宮城県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)
福島県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)
福島県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)
青森県、岩手県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)
青森県、岩手県のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年3月19日号より)

 2011年の東日本大震災は、多くの独居高齢者らの命を奪った。そんな中、被災から立ち上がった高齢者ホーム「ケアハウス」が注目されている。3食付き、個室に年金で暮らせ、3.11を教訓に入居者たちを守る独自の取り組みをしている。ライター 栗原道子氏が取材した。

【一覧表】3食付き、個室に年金で暮らせる 宮城県のお薦めケアハウスはこちら

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 2021年2月13日に東北で再び大地震が起きた。その時の様子を岩手県滝沢市「ケアハウス巣子」の職員はこう語る。

「今回の地震は、10年前よりは軽かったです。揺れはありましたけれど、その揺れも前回よりは短かったし、建物の損壊はありませんでした。でも10年前の地震から今まで、建物は老朽化も相まってあちこちの修繕は必要でした」

 ソフト面での取り組みにも、培った経験が生きている。

「前回の大地震の後、マニュアルを整理し職員の連絡の仕方も何回も見直しました。さらに大震災以後、入居者も職員も避難訓練に真摯に取り組んできたのが役立っています。職員の動きが細密になったのを日々感じています」(同前)

 2月13日の大地震で、宮城県塩釜市は震度5強を観測した。塩釜市の「ケアハウス月見ケ丘」の伊藤路子施設長はその時の揺れをこう語る。

「津波の発生はなかったものの、建物のヒビ割れ、落下物の破損はありました。水道の断水もあり大変でしたが、入居者、職員に被害がなかったのが幸いでした」

 岩手県北上市にある「ケアハウス常盤台」は自然災害に備え、防災委員会を中心に年2回避難訓練、食料の備蓄、飲料水のローリングストック、発電機の準備などを行っているという。

「災害時にはうちは地域の避難場所にも指定されています。北上市は沿岸からの被災者が多く住んでおり、ケアハウス常盤台にも被災者の方が数名入居されています。東日本大震災から10年という節目でもあり、今年は3月11日に当時のことや気持ちを話し合う機会を施設内で設けようと計画しています」(ケアハウス常盤台のスタッフ)

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