井戸端長屋は個室12部屋で、個室の広さは2DK(洋室6畳と和室4.5畳、ダイニングキッチン、浴室、エアコン、トイレ付き)。共同スペースには共同洗濯機を置き、その周りで雑談できるスペースを設けた住まい。市から派遣された生活相談員が見守り、健康維持、生活相談にのっている。相馬市には「相馬井戸端長屋」が5棟58戸できている。
震災後10年を経て今度はコロナが襲ってきた。
東北地方はコロナ患者が少ないのだが、都会と同じように消毒には念を入れ、外出は制限し面会はごく短時間、玄関前やリモート面会などで対応している。
食事時間も会話なしにしているので、入居者にストレスがたまる。
厨房職員が先頭に立ち、入居者が皮むきや刻みなどを担当しての料理教室を開いたり、職員が買い物代行をする、室内でできる体操を考えるなど、どこのケアハウスも試行錯誤しながら入居者を見守っている。
ケアハウスを運営している法人では、法人内に地域包括支援センター、居宅介護支援事業所を併設しているところが多い。
地域包括支援センターは、高齢者のためのよろず相談所のようなところで、地域住民からの相談も受け付けている。
自分のことだけでなく、「隣のひとり暮らしのおばあさんの様子がおかしい」などの相談も受け付ける。
要介護認定の申請や、介護サービスの手続き、介護サービスの事業所の紹介などもする。居宅介護支援事業所は、ケアマネジャーがいて、ケアプランの作成や、介護事業所の紹介をする。
ケアハウスの多くはその事業所を併設していることで、地域の独居高齢者の情報を把握しており、必要があれば、地域包括支援センターや、ケアマネがケアハウスへの入居相談を受けている。
※週刊朝日 2021年3月19日号