司馬遼太郎と安野光雅はファン同士 でも「街道をゆく」は合わなかった? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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司馬遼太郎と安野光雅はファン同士 でも「街道をゆく」は合わなかった?

村井重俊週刊朝日
安野光雅さんのスケッチ旅行は楽しい。話しかけても怒らない。つい友達気分になってしまう。写真は2005年秋、79歳の安野さん(「週刊司馬遼太郎」『国盗り物語』の取材で訪れた岐阜市の長良川河畔で) (撮影/写真部・小林修)

安野光雅さんのスケッチ旅行は楽しい。話しかけても怒らない。つい友達気分になってしまう。写真は2005年秋、79歳の安野さん(「週刊司馬遼太郎」『国盗り物語』の取材で訪れた岐阜市の長良川河畔で) (撮影/写真部・小林修)

「安野さん、ただのリンゴよりも、絵に描いたリンゴのほうがなぜいいんでしょう」

 絵とは何か。根源的に問いかける哲学的な問題で、大作家と画伯のストレートな勝負の場面でもある。わくわくして答えを待っていた司馬さんだが、安野さんはあっさりいった。

「リンゴかあ。気づかなかったなあ。なぜだろう」

 きっと安野さんは答えを持っていたに違いないが、シャイで答えなかったのだと思う。

 安野さんはいっていた。

「『街道をゆく』って名言だらけで、付箋(ふせん)だらけになっちゃう。いろいろ聞きたいこともあるね」

 安野さん、天国で司馬さんにいろいろ質問してください。どうして絵のリンゴがいいのか、今度は照れずに話してあげてください。

週刊朝日  2021年2月19日号


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