約1時間の会食を終え、レストランの外に出てきた金田氏に直接、話を聞いた。

──会食をどのように考えていますか。

「会食?」

──今、4人で会食されていましたが。

「いや、4人じゃない、2人なんですよ」

──お知り合いの女性がいましたが?

「いえいえ、知っている人なんで。たまたま、知っている人が向こうで連れて来られた」

──じゃあ、2人?

「はい、2人」

──何を食べていたんですか。

「ラーメン、ラーメン。ここで一番安いラーメンを食べました。だから、会食はできるだけ避ける」

──食事のお相手はどなた?

「うちの事務所の事務局長。だから仕事です。仕事の延長でラーメンを食いに行ったの」

 そう言って、黒塗りの車に乗り込み、去って行った。

 その後、本誌の取材で、金田氏と会食をしていた3人は全員、金田事務所の秘書たちだったことがわかった。

 金田氏は安倍晋三政権時代の2016年から17年にかけて、約1年間にわたって法務大臣を務めた。その後は自民党幹事長代理を務め、菅内閣発足後の昨年10月に衆院予算委員長に就任した。そんなキャリアを持ちながら、記者の質問には、会食は「2人」とごまかすしかなかったのだろうか。

 本誌はその後、会食の席にいた金田事務所の事務局長だという秘書の男性にも経緯をたずねた。秘書は28日、会食の席にいた3人がみな事務所の秘書であったと認めた上で、こう語った。

「昨日(1月27日)は議員会館10階のうちの事務所で会議をやっていて、会議が長引き、もう食事をしようということになって、階下に降り、そのまま向こう(ホテルのレストラン)に行きました。私は代議士と2人で行ったけれど、みんなバラバラに向かいました。向こうで落ち合ったというか、そうなったということですね。前夜に予約を入れていたかどうかは、私はわからないです」

 4人の「ラーメン会食」が適切であったかどうかについては、こう続けた。

「議員会館の地下食堂とかへ、うちの事務所の者で行っても同じことになりますよね。そこはなるべく分けていかなければいけないんでしょうけども……」

 ちなみに、金田氏が食べたと言った「一番安いラーメン」の値段をホテルのレストランにたずねたところ、消費税込みで1人約3300円、ランチのセットで注文すると約4500円とのことだった。

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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