陸上雑誌の編集者は原監督の魅力をこう話す。

「原監督は『包容力の人』だと思います。現役時代に挫折を経験し、サラリーマンも経験しているから視野が広く、分け隔てなく人に接する。取材経験が浅い若い記者って普通は監督に近寄りがたくて話しかけられないじゃないですか。でも、原監督は違う。『どっから来たの?』と話しかけて共通の話題を見つけて盛り上がっている。選手との距離感も絶妙です。普段は優しいし、はた目から見ると友達同士のような会話ですが、ビシッと締めるところは締める。個々の選手の動きも良く見ているから信頼関係も強い」

 駒大が10区の残り2キロで鮮やかな逆転優勝を飾った今回の箱根駅伝。創価大が2位と大躍進し、大いに盛り上がった。3位・東洋大、5位・東海大も優勝を狙える戦力で紙一重の戦いだった。下位に沈んだが、帝京大、国学院大、東京国際大、明治大もメキメキ力をつけている。どこの大学も栄冠に輝く可能性を秘めた群雄割拠の時代。この状況に最も心を躍らせ、闘志を燃やしているのが原監督ではないだろうか。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事