というわけで、早くも「スガ1強」体制ができあがったという見方をする向きも増えている。しかも、政治部記者の中には本気で菅氏が「改革派」だと信じて高く評価している人も多い。そのためか、菅氏に悪い記事は出にくく、菅氏の手柄を褒める記事は大きく載る傾向がある。


 菅政権が揺らぐ要因として思い浮かぶのは、新型コロナの感染がさらに拡大して多数の国民の生命が危険にさらされる事態になったときくらいだが、それは何としても防がなければならない。
 つまり、コロナを抑えて喜ぶシナリオは、菅氏とともに生きていくシナリオになるのだ。私たちは、ウィズ・コロナならぬウィズ・スガの時代の継続を覚悟しなければならないのだろうか。

週刊朝日  2020年12月25日号

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など

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古賀茂明

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古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など

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