左上から時計回りに、新潟県阿賀町のコシヒカリ、香川県三豊市のオリーブ牛、長崎県壱岐市の寒ブリ、大分県豊後高田市の白いちご(提供)
左上から時計回りに、新潟県阿賀町のコシヒカリ、香川県三豊市のオリーブ牛、長崎県壱岐市の寒ブリ、大分県豊後高田市の白いちご(提供)
本誌が選ぶ返礼品30 1/2 (週刊朝日2020年12月18日号より)
本誌が選ぶ返礼品30 1/2 (週刊朝日2020年12月18日号より)
本誌が選ぶ返礼品30 2/2 (週刊朝日2020年12月18日号より)
本誌が選ぶ返礼品30 2/2 (週刊朝日2020年12月18日号より)
ニコニコエール品5選、プロジェクトの例 (週刊朝日2020年12月18日号より)
ニコニコエール品5選、プロジェクトの例 (週刊朝日2020年12月18日号より)

 応援したい自治体に寄付をすると、税金の控除が受けられ、実質2千円の負担でその自治体から肉や米などの特産品(返礼品)をもらえるふるさと納税。

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 新型コロナウイルスの感染拡大で収入が減り、お得な返礼品を手にしたいというのが人情だろう。今年の控除対象となる申し込みの期限は12月31日。駆け込み寄付をする前に、まずはしっかり返礼品を見極めたい。

 ふるさと納税をするときに便利なのが、自治体や返礼品を探せる比較サイト。返礼品の掲載数、契約自治体数などで1位を誇るサイト「ふるさとチョイス」の広報・田中絵里香さんが語る。

「2008年から始まったふるさと納税ですが、やがて各自治体が競って高額の返礼品を出すようになりました。そこで19年に法が改正され、返礼率は3割以下、地場産品にするということになりました。そのため返礼割合によるお得度よりも、その自治体ならではの希少価値の高い品物の人気が高まっています」

 調べてみると、なるほど、ふだんはなかなか手に入らない逸品が、返礼品に名を連ねている。

 たとえば新潟県阿賀町のコシヒカリ。同町職員が説明する。

「阿賀町の土地は多くが山林で、田んぼは山肌に沿って作られた棚田がほとんどです。寒暖差が大きいのでうまい米ができるんですが、収量が少ないために都市部のスーパーではほとんど流通していません。特に奥阿賀で化学肥料や農薬を減らして作った米の収量は少ないので、『東蒲幻米(とうかんまぼろしまい)』と名づけられました。この米も返礼品にさせていただいています」

 大分県豊後高田市の人気返礼品は、イチゴの「淡雪」。さがほのかの変異株で、13年に品種登録されたばかり。

「このイチゴの一番の特徴は、色。ほのかなピンクという珍しい種類です。生産している地域は、全国的にもまだ少ないようです。うちの市でも生産量が少なく、返礼品としての数に限りがあります」(同市担当者)

 香川県三豊市の「オリーブ牛」も、瀬戸内海に面する土地ならでは。オリーブオイル搾取後の果実を飼料にした牛だ。

「肉質はとろける感じですが、脂分もすっきりしていて後味がさっぱりしています。まだ知名度が低いので、ふるさと納税で全国の方に知ってもらえればと思っています。地元のホテルやレストランでの需要が多いんですが、コロナのため観光客が減り、在庫がだぶつき気味。畜産農家さんも大変厳しい思いをしています。ですからその分、今年の返礼品はお値打ちな設定だと思います。『ニコニコエール品』(*)というわけではありませんが」(同市担当者)

*「ニコニコエール品」とは、コロナのために被害を受けた生産者を支援すべく農林水産省が始めた「#元気いただきますプロジェクト」と、ふるさと納税が合体してできた仕組み。農水省の補助事業を活用することで、通常よりも増量される返礼品のこと。

(本誌・菊地武顕)

週刊朝日  2020年12月18日号より抜粋