還暦記念ライブが決まった田原俊彦(C)朝日新聞社
還暦記念ライブが決まった田原俊彦(C)朝日新聞社

「いよいよ還暦?誰が?俺が還暦になるらしいです。(中略)4月25日、果たしてその時コロナはおさまっているのか!?おさまっていることを祈るのみですけど、みんなと42年目のいいスタートを切りたいなと思っています」

【写真】トシちゃんが「男として共感する」と語る大物歌手はこの人

 11月26日、田原俊彦が自身のYouTubeチャンネル上で、来年4月25日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で還暦記念ライブ「60th Birth Anniversary Double T Wonderland 2021」を開催することを発表した。

 このところ、テレビの音楽番組やオンライン配信ライブでたびたびヒット曲メドレーを披露し、その往時に劣らぬ迫力あるパフォーマンスが注目されている田原。けれども、これまでの道のりは平坦(へいたん)なものではなかった。

 1980年代、近藤真彦らとともに絶大な人気を得ながらも、歌唱力に難があるアイドルの象徴として業界から非難された。1994年にジャニーズ事務所を退所した前後には、言動が「大物ぶっている」とメディアからバッシングを受けた。その後も、諸般の事情からテレビへの露出がままならない状況が長く続いていた。

 しかし毎年粘り強くライブツアーをこなし、新曲リリースを続けながら世間に実力をアプローチする姿は、ファンのみならず、業界関係者やジャニーズの後輩たちからも称賛を受けているようだ。

 芸能界における田原のスタンスはけっして器用ではないものの、“一本独鈷(いっぽんどっこ)”のタレントとして自分が信じる道を貫こうという強い意志が感じられる。先達に例えて言うならば、渡辺プロという大プロダクションに居ながらそこを飛び出し、誰にもまねできないポジションを築き上げた、沢田研二のような存在だろうか――。

 実際、田原はデビュー間もない時期から著書やインタビューでたびたび沢田に対する尊敬を口にしており、昨年開催された沢田の70歳記念ライブツアーにも、「沢田さんの生き方は、男として共感するところがありすぎですから。いまどんなステージをされているのか、この目で確かめに行ってきます!」と足を運んでいる。

 デビュー以来、たゆまぬ鍛錬を続けてきた田原。還暦を前にして、ジュリーのような唯一無二のスターとして再ブレークの兆しを見せている。来たる2021年には、ぜひとも新型コロナウイルスを吹き飛ばすような“びんびん”の大活躍を願いたいものだ。(中将タカノリ)

※週刊朝日オンライン限定記事