かたや大阪人は反骨精神も旺盛だから、マスコミも朝日、毎日など関西から出た新聞社も多い。

 子供の頃に大阪の雰囲気を知っていることは、ありがたい。私の生き方にも大きく影響している。

 今ではお笑いを始め、芸能の世界では吉本などが多くのタレントを輩出しているのも当たり前と思える。

 それでも成功するには東京に出てくる必要があったが、大阪都が出来れば、二つの文化の拠点が出来るので、面白いかもしれない。

 大阪城の真ん前にある高校へ通い、隣には府庁があり、昼ごはんを食べに校庭に直結する裏口から毎度お邪魔していた建物が都庁になるのは、なんか楽しい。

 堅くるしいことは言わんと、おもろいことはやったらええやん。

週刊朝日  2020年10月30日号

下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。主な著書に『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』ほか多数

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下重暁子

下重暁子

下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。この連載に加筆した『死は最後で最大のときめき』(朝日新書)が発売中

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