さらに強みを発揮しそうなのが、パスワードを使わずに、クラウド上で安全に本人確認できる次世代の認証技術「FIDO(ファイド)」に関するサービスだという。

「今までは本人確認を行う場合、スマホなどの携帯端末やパソコンを通じて、IDやパスワードなどの情報も認証サーバーの側に送らなければなりませんでした。いくら安全性の高い対策を取っても、IDやパスワードが漏れれば破られてしまいます。でもFIDOは、指紋や静脈の形状パターンなどをつかった生体認証による本人確認は端末側で完了する仕組み。サーバー側では、端末側から送られた検証結果を確認するだけです。そのためIDやパスワードは不要ですし、指紋や静脈の形状などの生体情報が外部に流出する恐れはありません」

 マイクロソフトやアマゾン、グーグル、日立など国内外の大手企業が今、この技術についての国際規格化を進めていて、標準的な技術になりそうだという。ディー・ディー・エスのサービスも、ランシステムが運営するネットカフェ「スペースクリエイト 自遊空間」の店舗にすでに導入されている。

 2位の綜合警備保障(ALSOK)や12位のセコムなど、警備会社も上位を占めた。

「無人店舗が普及すると、セキュリティーの強化や店舗の遠隔管理などが必要になり、当社のサービスへの需要も増える。当社は人による警備から現金輸送、キャッシュレスまでニーズに合わせて幅広く提案できる」(ALSOK広報部)

「店員がいなくなれば、監視カメラシステムの導入や、店の開錠・施錠やドアの開け閉め、照明や空調の管理、集配金といった新しいセキュリティーニーズが生まれます。既存の有人店舗向けの遠隔監視・管理システムを応用したり、開発中のバーチャル警備システムを活用したりできるでしょう」(セコムのコーポレート広報部)

 セコムのバーチャル警備システムは、AIを活用して動く、ディスプレイに表示された等身大のバーチャルキャラクターが警備や受付を担う。慣れるまではびくっとしそうだが、「機械を置くだけよりも人あたりがいい一方で、目くばせなど表情に変化を持たせられますので、防犯などのけん制効果も期待できます。『バーチャル店員』というのもありかもしれません」(コーポレート広報部)

次のページ
加速する普及。JR目白駅にも無人店舗が登場