異臭騒ぎで消防車が出動した横浜市の現場近く(撮影/上田耕司)
異臭騒ぎで消防車が出動した横浜市の現場近く(撮影/上田耕司)
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 神奈川県内で原因不明の異臭騒ぎが続いている。今年6月頃から始まり、小泉進次郎環境相の地元・横須賀市や、ついには菅義偉首相のおひざ元の横浜市でも発生した。首相の自宅タワーマンションから約1キロ離れた場所からも“異臭通報”があったのだ。10月12日には、首相の自宅タワーマンションのほど近い場所からも"異臭通報"があった。

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 横浜市消防局によると、同日に市内の中区、神奈川区、西区などから16件の通報が相次いだ。JR横浜駅付近からの通報もあり、駅構内では一部改札口で20分ほどの入場規制がなされる事態となった。こうした異臭騒ぎの中で、消防局員が臭気サンプルを1件採取できたといい、解析を進めている。

 横浜市環境創造局大気・音環境課によると、異臭通報が10月1日に10件、3日に25件、5日に3件、6日に1件あったという。

「ゴムの焼けたような臭いというのが一番多いですね。シンナーみたいな臭い、ガスのような臭いという通報もあります」

 横浜市の本牧でも同1日と3日、異臭騒ぎがあった。地元で50年以上商売をしている「長田商店」の長田幸一さん(73)が話す。「ちょっと焦げ臭かったので家の周りを点検しましたが、何事もありませんでした」

 異臭のしたエリアは本牧通り沿いで、元は米軍の兵士たちの宿舎があった。輸出入衣料雑貨「本牧OZ」の店主の野田栄さん(66)は言う。

「午後5~6時頃に両日とも臭いがしました。化学薬品を混ぜたような嫌な臭いでしたね。これまでかいだことのない臭いで、気持ちが悪くなって、早めに店のシャッターを下ろしました。この辺は海から歩いて10分くらいなので、海から東風に乗って臭いがやってきたのかもしれない」

 青潮の影響だとする説や、海上にいるタンカーのガス説……など情報が飛び交う。釣り舟の船長は海の様子をこう語る。

「今年は赤潮を3回ほど見ましたが、10月には赤潮も青潮も見かけなくなりました。どちらの臭いも、ガス臭いとかコゲ臭くはないですよ」

 そんな中、立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は、異臭騒ぎは巨大地震の予兆だ、と警鐘を鳴らす。

「活断層が割れたり、プレートがこすれて剥がれたりすると異臭がする。三浦半島と房総半島南部は活断層が地表に露出していて、活断層の岩が割れれば異臭がするはず」

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