「歓楽街にある中華料理店など無数にあって、予約サイトの上位に掲載してもらうには、何万円、何十万円という費用が必要です。登録はしましたが、うちのような小さな店にそんな費用は払えない。無料のプランだと、サイトの写真掲載や説明など予約サイトの運営者からはサポートもなく全部、自分でしなければいけない。スマホもパソコンも詳しくないので無理ですよ。Go To イートの恩恵はまったくありません」(Aさん)

 ある予約サイトのスタッフも内幕をこう話す。

「例えば、新宿、居酒屋で検索するとすごい数が候補で出てきます。スマホの画面ではじめのほうに表示されるには手数料をとっています。実際、画面のはじめのほうで表示されるところから、予約は埋まっていく傾向があります。その分、手数料はアップしていくというシステム。どこの予約サイトもよく似たシステムを採用しています」

 大阪の和食店のオーナーBさんは、新型コロナウイルスの影響で大きく売上が落ち込んだ。そこで、予約サイトに月数万円の広告料を下げるように依頼した。

「予約サイトの担当者は『下げるプランにしていいですか? 評価の点数が落ちますよ』と言ってきました。予約サイトで選ばれる基準の一つが評価のポイント。広告料を払ってお客様の来店が多くなると、評価がアップする傾向にあります。今回も予約サイト側は送客手数料をとるわけですからね。儲かるのは、予約サイトだけじゃないですか」

 Bさんはこう疑問を呈し、スマホの画面を見せてくれた。知人の飲食店経営者から届いたメッセージで、こう書かれていた。

<Go To イートで発行される食事券を買うのを手伝ってくれないか>

 Go To イートでは、地域限定で地域限定のプレミアム付食事券が発売される。例えば大阪府のプレミアム食事券なら10000円分を買うと12500円分の利用が可能となる。購入は一人、20000円が上限だ。先のスマートフォンの画面について、和食店オーナーBさんはこう話す。

「知人の飲食店経営者は10店舗ほど持っている。要は食事券を大量に買い集めて、自分の店で使われたことにする。それを換金すれば、10000円分につき2500円が儲かる。これを100万円分やれば、25万円が儲けられる。とんでもないので断りましたがね」

次のページ
大阪府の制度を利用すると、ポイントで食事がタダに