また、大阪府は国とは別に「少人数利用飲食店応援キャンペーン」を実施。国と同様に予約サイトで予約すれば、1予約4人以下、5000円以上飲食で2000ポイント付与される。国のGo To イートとのポイントとも併用できる。例えば、2人でGo To イートとして予約。合計5500円の飲食をした時、大阪府から2000ポイント、国から2000ポイントが付与され、1500円で飲食ができる。

 その上、新型コロナウイルス対策で休業要請があった大阪・ミナミなどの地域であれば、ポイントが2倍の4000ポイントとなり、計6000ポイントが貰え、飲食代は無料となり、さらに500ポイントが付与されることになるのだ。

「少人数利用飲食店応援キャンペーン」を手掛ける大阪府は取材に対し、こう回答した。

「使い方によっては、無料になる場合もある。それが悪用されることは、現在では想定していません」

 プレミアム食事券を扱う大阪観光局もこう回答した。

「第1回目の発売が終わったばかり。まだ食事券の利用は始まっていません。業者さんが大量に購入して換金はシステム上は可能です。もし、そのような問題が実際にあった場合、その時に対応することになる」

 前出のBさんはこう訴える。

「実際に飲食店で食事したかどうかチェックはありませんから、適当なIDを使って、架空の客が飲食してことにして、ポイントで稼ぐ飲食店もいるそうです。こういう抜け道が、まだまだあるということ。今のシステムのままだと、特需になるのは、飲食店ではなく、送客手数料や広告料で稼ぐ予約サイト。もっと現場をみて飲食店の立場で考えてほしい」

 一方のGo To トラベルキャンペーンでも、ここにきて旅行予約サイト大手が宿泊料の割引額を突然、大幅に引き下げるなど大混乱している。

 打撃を受けた業者と利用者にメリットがある制度にしてほしいものだ。
(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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