現在の仕事においての「自分の強み」に対して、経験が不足しているが補強できる「弱み」は何かを整理する。

 キャリアビジョンの実現に向けて、働きながら社会人大学院で学び、専門知識を体系化するなど、定年退職を迎える前にやっておくべきことが見えてくる。もちろん退職してからでも遅くはない。数年後再スタートを切るために今から準備をしても長い人生、十分間に合う。

 大切なのは「自分が目指す働きがい・働きやすさ」を追求するときに、子どもの学費や住宅ローンが完済しているなど、お金の問題をクリアしておくこと。そして、現役時代には副業や地域のコミュニティーなど、“社外”に積極的に出ることを前川さんは勧めている。

「自分の持ち味は違う世界に身を置かなければ気がつかないこともあります。例えば、大手企業にいたときはエクセルで会議資料をまとめてグーグルドライブで共有するのは当たり前の作業かもしれませんが、中小企業ではITの仕組みが整っていないケースがあります。異業種交流会やネットワーク、地域のコミュニティーなどに参加してみると、自分にしかできないスキルを見つけられることがあります」

 やりたいことを見つけて充実した時間を過ごそう。(ライター・村田くみ)

週刊朝日  2020年10月16日号より抜粋