いわゆる“コロナ保険”がついに発売される。太陽生命保険が9月から売り出す、新型コロナウイルス感染症に伴う出費を保障する個人向け保険「感染症プラス入院一時金保険」だ。発売が公表された8月18日以降、同社には問い合わせが殺到しているという。
「当社のコールセンターには、通常時の商品問い合わせ件数の約7~8倍の問い合わせがあります。また全国の支社や担当の営業職員にも、『商品がどんな内容なのか説明してほしい』『加入したい』など、多くのお問い合わせをいただいております。反響はとても大きいと考えています」(太陽生命広報)
この保険は、既存の入院保険と組み合わせて加入する必要があるが、月額500円ほどで新型コロナやO-157、コレラ、SARSなど所定の感染症の治療で入院した場合や死亡した場合に一時金として、従来の2倍の最大40万円を受け取れるというもの。新型コロナで入院した場合は、指定感染症なので医療費負担は基本的にゼロ。しかし、入院により休業するなどした場合の収入の補てんになる。
同社では、新型コロナウイルス感染拡大が大きくなり、全国への緊急事態宣言が発令された4月ごろに商品開発を開始。当時は、生命保険会社各社が新型コロナウイルスにより、死亡・高度障害になった場合の災害割り増し保障の対象とする対応をしていたが、入院した場合の割り増し保障はなかった。そのため「入院保障についても、手厚い保障を備えられる保険をつくり、少しでも多くのお客様に安心をお届けしたいという思いで企画した」(同)という。
新型コロナ向け保険は、タイ、インド、香港などではすでに販売されているが、日本では保険ベンチャーのジャストインケースが、1泊2日以上の入院に一時金を保障する「コロナ助け合い保険」を提供しているだけ。これまでコロナ対策では無策同然のわが国政府は、各種給付金も配布の遅ればかりが目立つ。ならば、民間が提供してくれる自衛策を利用するしかないか?(鈴木裕也)
※週刊朝日オンライン限定記事