セガが投入する最新プリクラ機「fiz」(C)SEGA
セガが投入する最新プリクラ機「fiz」(C)SEGA

 1990年代後半に女子高生の間で大ブームとなった「プリクラ」に、復権の兆しが見えてきている。プリントシール機「プリクラ」が誕生して25年となる今年、写真だけでなく3秒間の動画も撮影できる新機種が登場するのだ。
 
 最新プリクラ機「fiz(フィズ)」を投入するのは、ゲーム大手のセガ。長らくプリクラ市場から離れていたが、約20年ぶりの再参入だという。

「なめらかな3秒動画を最大6種類、撮ることができます。400円の料金で静止画像6枚と、3秒動画『モーメント』を6種類撮影でき、従来にはない動画のなめらかさが特徴です」(同社広報担当者)

 画像データはスマホで受信するか、専用ウェブサイトからダウンロードできる。これをインスタグラムなどのSNSにアップするなどして、友人たちと簡単に共有することが可能だ。新型機は一部の地域で期間限定の先行投入を始め、今秋に本格展開するという。

 プリントシール機のプリント倶楽部、すなわちプリクラがゲームセンターに登場したのは1995年。女子高生は撮影した写真を「プリ帳」と呼ぶ小さなノートに貼り、友達と見せ合い、交換し合った。
 
 日本アミューズメント産業協会によると、プリントシール機市場の売り上げ規模は97年に1013億円まで拡大。だが、翌年には400億円程度に急落した。その後も400億円前後で推移し、2018年には239億円となっている。

 低迷の原因はスマホなどのカメラ機能の進歩。18年には業界大手メーカーが倒産し、プリントシール機を手がけるのはフリュー(東京都渋谷区)の1社だけとなっていた。
 
 そんなプリクラ業界も、最近は“反転攻勢”の動きが見える。協会の実態調査担当者は「スマホにはなかなか真似ができない工夫がされるようになっています」と話す。

 例えば、大きな撮影ブースで30人くらいが一度に撮影できるものや、スタジオのようにブースの照明を細かくセッティングでき、カメラも上下左右に調節できるものなど、斬新な機種が出てきている。今回の新機種登場も、そんな流れの一つと言えそうだ。

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若者がお金を払ってでもプリクラを撮る理由