逮捕された参院議員の河井案里容疑者(C)朝日新聞社
逮捕された参院議員の河井案里容疑者(C)朝日新聞社
逮捕された河井克行容疑者(C)朝日新聞社
逮捕された河井克行容疑者(C)朝日新聞社

 昨年7月の参院選で地元広島の県議や市議、首長にカネをばらまいた公職選挙法違反容疑(買収)で東京地検特捜部に逮捕された前法相で衆院議員の河井克行容疑者と妻で参院議員の河井案里容疑者。

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 容疑は県議や首長など地元の自民党系政界関係者ら計94人に2570万円をばらまいていたというものだ。

 新たに三原市の天満祥典市長に150万円、安芸高田市の児玉浩市長には60万円、元県議会議長の奥原信也県議には200万円を提供したという。克行容疑者から現金を受け取った市議の一人はこう話す。

「200万円、150万円すごい、ばらまきだな。そんなにもらっているとは聞いたことがなかった。河井夫妻は派手にビラや電話など選挙資金を使っていたので自民党本部からの1億5千万円だけでは足りなかったのではないか」

 選挙期間中に「安倍総理の秘書官が来られる」と地元で話していたのが、案里の元秘書、立道浩被告だったという。ウグイス嬢へ2倍の日当を払っていた公職選挙法違反(買収)で逮捕され、1審で有罪判決を受けた。案里容疑者の陣営にいた男性スタッフは振り返る。

「6月終わりだったかな。明日に安倍総理の秘書さんがくる。総理秘書官と呼ばなきゃダメだとか、お出迎えだとか、立道被告が言っていたのを今も覚えています。陣営のえらい人はとにかく、大変だと言っていた」

 安倍総理の秘書官らは4、5人で複数回、広島にやってきたという。総理秘書官の案内役を命じられた、県議の一人はこう話す。

「安倍総理の秘書官の中では、名前が知られた方をお連れして、市議、県議や自民党支持の企業をまわりました。全部で5、6件だったように思います。アポが入っていなかったところでも、安倍総理の秘書官という肩書は絶大で急な来訪にも対応していただけた記憶があります」

 安倍総理の秘書官は名刺を差し出し、こう話していたという。

「案里候補をよろしくお願いします。溝手候補は大丈夫ですから案里候補に投票、自民党で2議席を」

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安倍総理の代わりにご挨拶に