香港マンションSARS集団感染の“悲劇” 日本の新型コロナで起こる可能性は? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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香港マンションSARS集団感染の“悲劇” 日本の新型コロナで起こる可能性は?

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浅井秀樹週刊朝日#新型コロナウイルス
劣化した排水管=さくら事務所提供

劣化した排水管=さくら事務所提供

 もしあなたの住むマンションで、新型コロナウイルスの集団感染が起きたらどうなるのか。

 海外では過去に、マンションで集団感染が起こった事例がある。コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年の香港。九龍地区の大規模マンション群「アモイガーデン」で300人を超える集団感染が発生した。現地の衛生当局は、浴室の排水トラップが機能せず、下水溝内の汚染された空気が換気扇の作動する浴室に逆流したのが主因と推定した。

 アモイガーデンの事例について、住宅診断やアドバイスなどをする「さくら事務所」のマンション管理コンサルタント、土屋輝之さんは次のように説明する。

「浴室にはバスタブと洗い場にそれぞれ排水口があります。現地の人はバスタブ内でシャワーを浴び、洗い場ではほとんど水を流しません。洗い場の掃除はモップをかけるぐらいで、以前から浴室で下水臭がすると苦情が出ていたようです」

 一般的に、洗面台や流し台の排水管は途中にU字のトラップがあり、ここに常時、一定の排水がたまることで、外の排水溝内の空気が逆流しない仕組みになっている。浴室の排水管にも同じようなトラップがあるが、香港では洗い場の排水トラップが乾燥して機能しなくなっていて、汚染された空気が逆流した可能性があるという。その後になされた現地での検証で、排水管に亀裂も見つかった。亀裂から漏れた排水が、吹き抜け式の構造をそのまま風で吹き上がっていったとも指摘されている。

 アモイガーデンの事例ではこのほか、マンション内のネズミの糞やゴキブリの体からもSARSウイルスが検出されている。

 日本のマンションも、排水の仕組みはアモイガーデンと基本的には同じだと、土屋さんは説明する。

「日本のマンションには排水管のメンテナンスをしっかりとしていない老朽化したところがたくさんあります。建物が汚染される恐れがありますが、亀裂ができて漏れてから気づくことが少なくないとみています」


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