D:ホールセール部門はどこも2月から飲み会を一切禁止にしたと聞いてます。某外資系証券のホールセール担当者は、せっかくチームを分けてリスク分散したのに、別のチームの同僚と飲み会に行ったのがバレて、上司からめちゃくちゃ怒られたと話してました(笑)。

A:アナリストとしては、決算シーズンなのに決算説明会が全然開かれないのがツライ……。決算報告書を読み込むだけでレポートは書けますけど、経営者の顔色や感触が確かめられない。特に、このコロナ騒動で業績予想を発表しない企業が増えてくることを考えると、説明会など経営者に直接質問をぶつけられる場が大事になってくるのに。

D:ウェブで決算説明会をやる企業が増えていくんでしょうね。私は投資セミナーの講師を頼まれることもあるのですが、今は大半がZoomでのセミナーに切り替わっています。やってみると、配布する資料をいちいちプリントアウトする必要がないし、Zoomのほうが参加者の顔が小窓で表示されるので、どの話に対して参加者が一番関心を持っているのかが、通常のセミナーよりもわかる。

B:証券会社は口座開設が増えて、セミナーの集客コストも下がっていいことずくめじゃないですか?

A:実際、そのとおりかも(笑)。出来高が大幅に増えたので、中小証券も仲介手数料収入が大幅に増えています。間違いなく、昨年の冬のボーナスよりも今年の夏のボーナスは増える。

C:おまけに、年間12兆円もETF(上場投資信託)を買い付けてくれる日銀という超大口顧客がいますしね。おいしいところは全部、証券会社に持っていかれるのか……。

B:実は、日銀の注文って引き受けても大して儲かるものじゃないんですよ。大手証券と外資系証券数社などが、入札で日銀の注文を引き受けるんですけど、日銀は必ず「その日の平均価格以下での買い付け」を希望する。その条件を満たしたうえで、他の証券会社よりも有利な価格で引き受けようと無理をすると、赤字になってしまうこともある。多くの個人投資家が気づいているように、NYダウが急落した翌日の後場にはだいたい日銀が買ってきます。これは、前場に入札を行って、後場に注文をさばくため。つまり、その日の前場には“日銀買い”を見越して先回り買いが入りやすく、後場には安く買い付けるのが難しくなる。発注量が1千億~2千億円と大きくて魅力的ですが、非常にシビアなんです。

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