YouTubeで落語の配信なんかどうでしょう。人前で話せない今、落語家は雨後の筍のように配信ラッシュ。私も配信の波に飛び込んでいくには、確固たる理由が欲しい……。

　あるんだな、それが！！　私、春風亭一之輔は4月下席（21～30日）上野鈴本演芸場夜の部でトリをつとめるはずだったのです。しかしコロナのために都内の寄席は休館中。トリの興行なんて一年に何度もあるものでなく、とても名誉なことなのですよ。やりたいじゃない？　たっぷり10日間喋りたいじゃない？

　ということで、幻となった「4月下席　春風亭一之輔　上野鈴本演芸場トリ公演」を4月21～30日20時10分ごろから21時ごろまでYouTubeで生配信することになりました。実際のプログラムと同じ日時に喋ります。今号が発売される28日、みなさんあと3日です。よかったら「春風亭一之輔チャンネル」で私の渾身の高座をご覧ください！

　病床にある方も、医療従事者のみなさんも、一時の息抜きによかったら。みんながんばれ。俺もがんばる。

※週刊朝日 　2020年5月8‐15日合併号

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔（しゅんぷうてい・いちのすけ）／落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』（朝日新聞出版）が絶賛発売中。ぜひ！

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