伯山:僕、テレビだけで食べてる人ではなくて、収入源は9対1ぐらいで講談のほうなので、テレビは正直どうでもいいと思って、宣伝というか、名刺を配ってるみたいなスタンスで出てますね。講談を知っていただきたい、講談師を増やしたいということが原動力になってるんで、利用できるなら利用しようというスタンスです。

林:でも、待遇はいいでしょう。

伯山:よくしていただいています。あと、ユーチューブを最近やり始めたんです。講談を流してるんですけど、ありがたいことにけっこう評判がよくて、連続もの19席を1日1席ずつ流してるんです。「あしたどうなるんだろう」って楽しみに待っててくれたり、初めての人も意外に食いついてくれて。

林:それは素晴らしいですね。

伯山:テレビだと5分ぐらいしかできないんですけど、1話が20分ぐらいで、それが19話だから……400分ぐらいですか。

林:すごいな。今、テレビでユーチューブが見られますから、大画面で見られますよね。

伯山:そうなんですよ。それも4Kだっていうからびっくりしちゃいました。現場だったらせいぜい300とか600人相手なのに、数万単位で見ていただけるんですからね。(少し離れた席の女性をチラッと見て)カミさんがほとんど全部企画してやってくれたんですけど。

林:奥さまですか? どうもはじめまして。伯山さん、「うちの妻はもともとイベントをやっていた」とどこかでおっしゃってたから、私の頭の中ではキツそうな人を想像してたんですが、フンワカしたカワイイ方ですね。

伯山:いや、今は仕事だからで、ふだんはとてもコワいですよ(笑)。

林:ちゃんと恋愛して結婚するってすごいですね。こういう難しそうな方が女の人と恋愛するというのが、ちょっと想像できない。

伯山:変な性格してると、恋愛ってなかなかできないですからね(笑)。他の人では、僕はキツイと思いますよ。気持ち悪がられるんです。「頭おかしい」みたいな扱いになるんで、カミさんだけが唯一、友達で妻、みたいなものです。

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