新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都の小池百合子知事が外出の自粛を呼びかけた週末。普段ならにぎわうはずの東京・銀座も、週末恒例の歩行者天国は中止。特に3月29日は雪が降ったこともあり、人影はまばらだった。
その直前の25日、小池知事は緊急の記者会見を開き、「感染爆発(オーバーシュート)の重大局面」だと訴えた。週末は不要不急の外出を自粛するように要請したほか、平日はできるだけ自宅で仕事をするように求めた。今夏に開催予定だった東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が決まった翌日のことだ。
「ロックアウト(都市封鎖)」
「オーバーシュート」
ビッグワードを連発し、テレビ視聴者を引き付けた。さらに、周辺4県とのテレビ会議、安倍晋三首相への申し入れ、テレビ出演――。7月5日投開票の都知事選に向け、早くも突き進んでいるようにも見えた。
この小池知事を支持するのが、都議会のドンこと、内田茂・元自民党都連幹事長だ。
昨年11月に開催された内田氏のパーティーには、都連の国会議員や都議たちが詰めかけた。2017年都議選に立候補せず、引退したはずだったのに、突然の復活。ある自民党都議は言う。
「(自民党本部の)二階(俊博)幹事長や安倍首相、党本部の意向を受けて、内田さんが動いているんですよ。『小池支持』で都議会自民党を説得しているんです。内田さんは4年前、小池知事にさんざんののしられ、あげくの果ては失脚してしまったのに、忘れてしまったのかと思います」
4年前の都知事選で、内田氏は都政のブラックボックスの象徴的存在と祭り上げられた。その結果、自民党などが推薦した候補は112万票差の大敗を喫した。
17年の都議選では、小池氏が率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝、自民党都議団は告示前の57議席から23議席に激減した。
だから、自民党本部の二階幹事長が24日、都知事選の候補者について「小池氏支援」を表明すると、若手の自民党都議を中心に猛反発が起きた。