記者会見する小池百合子・東京都知事=3月25日、撮影・上田耕司
記者会見する小池百合子・東京都知事=3月25日、撮影・上田耕司
昨年11月、会費2万円で「東京の明日を語る会」を東京都内のホテルで開いた内田茂元都議は、杖をついて現れた。小池都知事とのその後を聞くと、「話せない」とひとこと=撮影・上田耕司
昨年11月、会費2万円で「東京の明日を語る会」を東京都内のホテルで開いた内田茂元都議は、杖をついて現れた。小池都知事とのその後を聞くと、「話せない」とひとこと=撮影・上田耕司
人影がまばらだった東京・銀座=3月29日昼、撮影・由利英明
人影がまばらだった東京・銀座=3月29日昼、撮影・由利英明

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都の小池百合子知事が外出の自粛を呼びかけた週末。普段ならにぎわうはずの東京・銀座も、週末恒例の歩行者天国は中止。特に3月29日は雪が降ったこともあり、人影はまばらだった。

【写真】小池知事を支持する都議会の“ドン”がこちら

 その直前の25日、小池知事は緊急の記者会見を開き、「感染爆発(オーバーシュート)の重大局面」だと訴えた。週末は不要不急の外出を自粛するように要請したほか、平日はできるだけ自宅で仕事をするように求めた。今夏に開催予定だった東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が決まった翌日のことだ。

「ロックアウト(都市封鎖)」

「オーバーシュート」

 ビッグワードを連発し、テレビ視聴者を引き付けた。さらに、周辺4県とのテレビ会議、安倍晋三首相への申し入れ、テレビ出演――。7月5日投開票の都知事選に向け、早くも突き進んでいるようにも見えた。

 この小池知事を支持するのが、都議会のドンこと、内田茂・元自民党都連幹事長だ。

 昨年11月に開催された内田氏のパーティーには、都連の国会議員や都議たちが詰めかけた。2017年都議選に立候補せず、引退したはずだったのに、突然の復活。ある自民党都議は言う。

「(自民党本部の)二階(俊博)幹事長や安倍首相、党本部の意向を受けて、内田さんが動いているんですよ。『小池支持』で都議会自民党を説得しているんです。内田さんは4年前、小池知事にさんざんののしられ、あげくの果ては失脚してしまったのに、忘れてしまったのかと思います」

 4年前の都知事選で、内田氏は都政のブラックボックスの象徴的存在と祭り上げられた。その結果、自民党などが推薦した候補は112万票差の大敗を喫した。

 17年の都議選では、小池氏が率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝、自民党都議団は告示前の57議席から23議席に激減した。

 だから、自民党本部の二階幹事長が24日、都知事選の候補者について「小池氏支援」を表明すると、若手の自民党都議を中心に猛反発が起きた。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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「党本部が顔を出してくるのはおかしい」