「その2人に加え、大阪国際を途中棄権し、出てくるだろう福士加代子選手(37)。代表はこのあたりに絞られているのでは」(金さん)

 3月の名古屋に出場する選手たちには“利点”もある。天候次第と前置きしつつ、金さんは解説する。

「松田選手の記録を基準にペースが作れる、いわば後出しじゃんけんができるのは大きな強み。大阪国際ではペースメーカーのいい走りによって松田選手の好記録が生まれました。名古屋でもペースメーカーの走りがカギを握ると思います」

 ちなみに五輪金メダリストの高橋尚子と野口みずきは、名古屋ウィメンズの前身の名古屋国際女子マラソンの優勝者。名古屋で勝者となれば、東京五輪での金メダルが見えてくるか。

「アフリカ勢の壁は分厚く、表彰台の真ん中はかなり難しい。ただ、男子に比べれば、世界の上位陣とのタイム差は大きく開いていない。メダルの可能性はあると思います」(金さん)

 レース序盤から目が離せそうにない。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2020年2月14日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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