女子マラソン五輪代表に内定している前田穂南(右)と鈴木亜由子 (c)朝日新聞社
女子マラソン五輪代表に内定している前田穂南(右)と鈴木亜由子 (c)朝日新聞社
松田瑞生 (c)朝日新聞社
松田瑞生 (c)朝日新聞社

 女子マラソン東京五輪代表の座をめぐる争いが佳境を迎えている。すでに前田穂南(23)と鈴木亜由子(28)が内定し、残るは1枠。現時点での最有力候補は松田瑞生(24)だ。1月26日の大阪国際女子マラソンで、派遣設定記録を上回る2時間21分47秒で優勝した。

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 ただ、代表選考の最後の対象レース(女子)は、3月8日の名古屋ウィメンズマラソン。名古屋で松田の記録を破る選手が現れなければ代表に決まるが、好記録が出やすい大会としても知られ、最後までもつれることも考えられる。松田はレース後、自身のツイッターに<名古屋の結果を待ちます。>と投稿。マラソン解説者の金哲彦さんはこう指摘する。

「大阪国際女子マラソンと同様に平坦なコース。開催時期の違いはありますが、気象条件さえそろえば好記録が期待できます」

 舞台がいいだけでなく、“役者”もそろっている。出場が目されている選手の中で期待値が高いのが、一山麻緒(22)と安藤友香(25)だ。一山は昨年3月の東京マラソンで、初マラソンながら日本選手トップ。昨秋のマラソングランドチャンピオンシップではハイペースの展開を作る積極性をみせた。安藤は大阪での松田の記録を11秒上回る自己記録を持つ。それを記録したのは2017年の名古屋というのも見逃せない。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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