「血液1滴、2時間」でがん判定 実用化に向けた課題とは?

がん

2020/01/06 07:00

マイクロRNAによるがん検査の様子(東芝提供)
マイクロRNAによるがん検査の様子(東芝提供)
マイクロRNAチップ。▼の穴に血液をたらす(東芝提供)
マイクロRNAチップ。▼の穴に血液をたらす(東芝提供)

 1滴の血液で、2時間以内にがんかどうかを判定できる──。これまで受けてきた「がん検診」のイメージをがらりと変える検査法が、実用化に向けて歩みを進めている。簡単にがん検診が受けられる、そんな時代が近々、やってくるのか。

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 がんを高い精度で検出できる技術を開発したと発表したのは、電気製品メーカーの東芝(本社・東京都港区)。2016年に医療機器事業を手放した同社だったが、現在は精密医療事業に力を注ぐ。その一つが、「マイクロRNAチップ」の開発だ。

 これは、血液などに含まれる「マイクロRNA(リボ核酸)」という分子の種類や濃度から、がんかどうかを判別するキットで、専用の小型検査装置に入れると、13種類のがん(乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、食道がん、肝臓がん、膀胱[ぼうこう]がん、前立腺がん、膵臓[すいぞう]がん、胆道がん、卵巣がん、脳腫瘍[しゅよう]、肉腫)のいずれかにかかっている人と、そうでない人とを99%の精度で見分けることができる。ステージ0の超早期のがんもわかるそうだ。

 早い段階での実用化を目指し、20年から東京医科大学などの医療機関と共同で実証実験をしていくという。

「腫瘍マーカーや画像検査など、従来のがん検出技術では、簡易に、高い精度でいろいろながんを一度に見つけられない。マイクロRNAチップで13種類のがんを網羅的に早期発見することで、生存率を向上させていく。そこに貢献したい」(同社研究開発センター研究主幹の橋本幸二氏)

 こうした血液や尿などの体液を使って、病気の有無を診断したり治療効果などを予測したりする技術を、「リキッドバイオプシー(体液診断)」という。最近では、線虫を使って尿からがんを見つけるというニュースが話題になったが、体内の病変や組織を採取する生検や、被曝(ひばく)の問題があるX線やCTなどの画像検査と比べて、患者への負担が少ないこともあり、近年、世界中で研究が進められている分野だ。

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