「校長先生の中には『関係ないことでボーナスの増額見送りは問題だ』と文句を言う人もいるそう。私も『なんも悪さしてないのに連帯責任だなんてひどい』と言われました。いじめをなくす立場の先生自らが加害行為に及んでいることがいかに大きな問題か肝に銘じてほしい」

 現在、市は第三者委員会を設置して調査している。一方、市教委は、2015年度以降、東須磨小に在籍した児童、卒業生にアンケートを送り、教諭から体罰を受けたことがなかったか調べ始めた。

「やはりというべきか、体罰、暴力を受けたという趣旨の回答がいくつもきているようです。精査して、事実なら過去にさかのぼって処分します。それが信頼回復への一歩」(市関係者)

 だが、保護者は、

「第三者委も体罰を探すのも確かに必要。だけど、なんで先生が先生をいじめるというとんでもないことが起こったのか、その答えはまったく出てない」

 責任問題よりもまずは、児童への対応を最優先に考えるべきでは。(今西憲之)

週刊朝日  2019年12月27日号

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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