小林弘幸(こばやし・ひろゆき)/1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現在に至る。自律神経のバランスに注目し、数多くのトップアスリート、アーティストなどのパフォーマンスの向上指導を務める。近著に『医者が考案したがん・病気をよせつけない最強の一汁一菜』『疲れたら動け!』など。 (撮影/写真部・片山菜緒子)
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)/1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現在に至る。自律神経のバランスに注目し、数多くのトップアスリート、アーティストなどのパフォーマンスの向上指導を務める。近著に『医者が考案したがん・病気をよせつけない最強の一汁一菜』『疲れたら動け!』など。 (撮影/写真部・片山菜緒子)
小林弘幸さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・片山菜緒子)
小林弘幸さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・片山菜緒子)

「長生きみそ汁」「腸活」「食事術」など、健康をテーマにした著書でベストセラーを連発する自律神経の名医、小林弘幸さん。小林さんは「腸内環境」が糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、特に認知症予防にも重要だといいます。その理由と健康法を、作家の林真理子さんが伺いました。

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林:腸内環境をよくすれば認知症も治るというのは、いろいろ実証されてるんですか。

小林:いろいろ出てきてますね。37兆個の人間の細胞の一個一個に質のいい血液を十分に流す、それが健康の定義だと僕は思ってるんです。血液の質をよくするのは腸なので、腸内環境をよくすれば、脳に栄養が十分に行くし、認知症も防げるのではないでしょうか。どんな病気も原因は血流障害ですからね。

林:血流障害ですか。

小林:ええ、だから血流を十分に保っておくことが重要。血流を保つためには年齢とともに活性化が低下する副交感神経を上げておかないといけない。そうしないと血流が悪くなって、心筋梗塞とか脳梗塞とかいろんな病気が起こるんです。

林:副交感神経を上げるために、腸内環境をよくする……。

小林:はい。腸内環境がよくなると腸の蠕動(ぜんどう)運動がよくなる。この蠕動運動をつかさどってるのが副交感神経なので、副交感神経を上げたければ腸内環境をよくする。

林:自分の腸内環境がいいか悪いかは、どうやったらわかるんですか。

小林:いろんな調べ方がありますが、いちばんわかりやすいのは、やはり排便状況だと思いますね。おなかのことがほとんど気にならずに排泄できるというのが一番です。私の「便秘外来」の患者さんは、鬱の傾向が強い。腸内環境が悪いんですね。腸内環境が改善されてくると、性格もどんどん変わってきて、明るくなってくるんです。

林:先生は日本で初めて大学病院に「便秘外来」をつくったんですよね。患者さん、1日にどのぐらいいらっしゃるんですか。

小林:60人から70人ぐらいですね。予約制でして、今、7年待ちぐらいじゃないですか。

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