クールジャパンの発信地として生まれ変わる豊島区で盛り上がったコスプレイベント(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019
クールジャパンの発信地として生まれ変わる豊島区で盛り上がったコスプレイベント(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019
参加者はおのおの好きなコスプレを楽しんだ(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019
参加者はおのおの好きなコスプレを楽しんだ(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019
コスプレで盛り上がったイベントの様子(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019
コスプレで盛り上がったイベントの様子(C)池袋ハロウィンコスプレフェス2019

 東京都豊島区がクールジャパンの発信地として劇的に生まれ変わりつつある。

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 11月1日、旧豊島区庁舎と豊島公会堂の跡地に複合商業施設「ハレザ池袋」のホール棟が先行オープンした。ハレザは演劇や伝統芸能を公演するホールなど8つの劇場が新設され、アニメ、サブカルチャーを楽しめる空間「中池袋公園」が備わっている。区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」構想を体現する建物で、“文化”の中心地を目指す。

 その“文化”の一つとして期待されているのが、マンガ・アニメ。クールジャパンの代表的なコンテンツだ。ハレザの外壁には巨大ビジョンが設置され、アニメーション映像が流れる。区は昨年、「マンガ・アニメ活用担当課」という珍しい部署も設け、その本気度がうかがえる。現場で変革の先頭に立つのが、同課の谷崇之課長だ。当初は戸惑いもあったという。

「今年4月に就任したのですが、もともとマンガも読まなければアニメにも興味がなく、知識はまったくなかった。重圧は大きかったです。何も知らない、ではまずいので日々勉強しています」

 マンガ喫茶で目当てのコミックを探すにも四苦八苦。話題のアニメーション映画「天気の子」も見に行った。

「この役職に就かなければ、見ることはなかったと思います。これまではチャンネルを回してもスルーしていた深夜アニメも見るようになりました」(熊谷さん)

 区がマンガ・アニメに重きを置くようになったのには理由がある。2014年に区が「消滅可能性都市」(日本創成会議による)とされたことだ。近い将来、若年層の女性人口減少によって、自治体が存続できない可能性があるとされた。

「区役所全体でショックは大きかった。人を呼び込む魅力ある街にするにはどうすればいいか、真剣に考えるようになりました」(同)

 魅力的な“素材”はすぐにそばにあった。

「池袋にはアニメ関連商品の販売店『アニメイト』の本店があります。この存在はとても大きかった。連日大勢の方が訪れます。加えて客層の多くは若い女性。それも池袋に集まるアニメファンの大きな特徴でした(同)

 アニメイト本店には平日は1万人、休日になれば多い日には3万人が訪れるともいわれるアニメの“聖地”だ。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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