骨盤が前に傾いている人向けのストレッチ (小林篤史著『一生曲がらない背骨をつくる姿勢の教科書』から イラスト/坂本康子)
骨盤が前に傾いている人向けのストレッチ (小林篤史著『一生曲がらない背骨をつくる姿勢の教科書』から イラスト/坂本康子)
骨盤が後ろに傾いている人、さらに猫背が進んでいる人向けのストレッチ (小林篤史著『一生曲がらない背骨をつくる姿勢の教科書』から イラスト/坂本康子)
骨盤が後ろに傾いている人、さらに猫背が進んでいる人向けのストレッチ (小林篤史著『一生曲がらない背骨をつくる姿勢の教科書』から イラスト/坂本康子)

 背の人は少なくない。加齢のほか、パソコンの前にずっと座っていたり、長時間のスマホ操作なども影響している。ハイヒールや出産も原因になる。短時間の簡単なストレッチで、よい姿勢を取り戻し、人生前向きにしませんか。

【イラスト】骨盤が後ろに傾いている人、猫背が進んでいる人向けのストレッチ

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「骨盤がまっすぐに立っていないことです」

 猫背矯正治療院「V‐Style」(川崎市宮前区)代表の小林篤史さんは、その原因をずばり指摘する。これまで2万人を治療してきた。

 80代の主婦は背中が丸くなり、両肩も前に出て姿勢が悪くなっているのは年寄りだからと考えていた。でも骨盤が後ろに傾いていると専門家に指摘され、「V‐Style」へ。セルフケアを学び、起床時や入浴後、就寝前などに「骨盤を立てるストレッチ」を続けたところ、姿勢がよくなり、3カ月ぐらいで骨盤がまっすぐ立っていると体感できるようになった。

 姿勢がよくなると、ひざ痛がなくなった。できなかった正座もできるようになり、足のむくみもなくなった。

 60代の主婦は姿勢を矯正する器具を装着してみたが、効果はなかった。その後、咳と痰がしばらく続くようになった。いくつも病院に通ったが、なかなか改善せず、咳で体が前かがみになり、猫背が進んでいると心配していた。そこで「V‐Style」に通い、「骨盤を立てるストレッチ」などを学び、昼間にセルフケアを実践。春に始めて、その年の暮れぐらいに、はっきりと効果が出てきた。背筋が伸び、2センチほど縮んでいた身長が元に戻った。呼吸もかなり楽になってきたと感じる。

 猫背を直すというのは、骨盤の傾きを正すこと。猫背は骨盤が前に傾いている人が全体の8割ぐらいを占める。このタイプの人はお尻がでっぱりやすく、反り腰になったり、内股になりやすい。原因は腹筋が弱くなったり、座った状態を続けていたことなど。特に女性に多く、出産が原因になることがある。骨盤が後ろに傾いている人の場合、老化などでお尻の筋肉が弱くなったことがある。このタイプはお尻が引っ込みやすく、ひざが曲がりやすく、ガニ股になりやすい。

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