骨盤がまっすぐに立たなくなる原因には、パソコンやスマートフォン、座り方やハイヒールなどの履物、生活習慣などもある。

「V‐Style」代表の小林さんはこう話す。

「まず固まった筋肉を緩めます。柔らかくして、正しい姿勢をとりやすくしてもらいます。それから正しい姿勢を覚えてもらうのです」

 普段の生活では「骨盤を立てるストレッチ」を実践。どのストレッチも1回で10秒が基本で、1日に最低1回をすすめている。

 骨盤が前に傾いている人向けは、「太もも前面伸ばし」や「股関節前面伸ばし」のストレッチ。

「太もも前面伸ばし」は立った状態で左足を後ろに上げ、左足の甲を左手で持つ。ふくらはぎが太ももの裏につくまで引き上げて10秒。転倒防止のため壁や机につかまってもいい。右足も同じように。

「股関節前面伸ばし」は左ひざを床につき、右足は前方に出しひざを曲げ、右ひざ上に両手を重ねてのせる。腰を落とし前方に体重をかけ、左足の股関節前面の筋肉を伸ばし10秒。このストレッチを左右の足を逆にして同じようにする。

 骨盤が後ろに傾いている人には「太もも後面伸ばし」や「太ももだっこ」がある。

「太もも後面伸ばし」は、椅子に浅く腰掛け、左足を前に伸ばす。左ひざの上に両手を重ねてのせて下方に押して10秒保つ。太もも裏側の筋肉が伸びるのを感じながらストレッチをする。右足でも同じようにする。

「太ももだっこ」は椅子に浅く腰掛け、上体を倒しておなかを太ももにつける。両腕で太ももを抱き込み、10秒。体勢がきつければ無理のない範囲で。

 これらが基本的なストレッチとなる。骨盤がねじれている人は骨盤前傾と後傾の人向けストレッチの両方をするといい。

 加えて、さらに背が進んでいる人はタオルワークも実践するといい。

 用意するものはバスタオルで、ロール状に硬く丸めておく。まず「骨盤タオルワーク」では、あお向けに寝て、仙骨の下に丸めたバスタオルを入れて腰が浮き上がるようにする。仙骨は脊椎の下部で、骨盤の後方上部にある三角形の骨のこと。この姿勢で1分保つ。

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