脂っぽい肉が苦手な安藤和津が絶賛するひれかつの名店とは? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

脂っぽい肉が苦手な安藤和津が絶賛するひれかつの名店とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
百万石 ひれかつ/かつて花街として栄えた柳橋で、昭和20年から続くとんかつの店。自家製ラードで最初はじっくり、仕上げは別鍋でカラッと揚げるとんかつは、衣の油っぽさがなく中はしっとりやわらか。写真は脂身が少ない大ぶりの「特上ひれかつ」(1980円)。脂のうまみを味わうならロースかつがおすすめだ。店の奥には中庭を眺めながら食事ができる奥座敷があり、粋な柳橋の風情を残す。昼の「とんかつ定食」800円。税込み (撮影/写真部・小山幸佑)

百万石 ひれかつ/かつて花街として栄えた柳橋で、昭和20年から続くとんかつの店。自家製ラードで最初はじっくり、仕上げは別鍋でカラッと揚げるとんかつは、衣の油っぽさがなく中はしっとりやわらか。写真は脂身が少ない大ぶりの「特上ひれかつ」(1980円)。脂のうまみを味わうならロースかつがおすすめだ。店の奥には中庭を眺めながら食事ができる奥座敷があり、粋な柳橋の風情を残す。昼の「とんかつ定食」800円。税込み (撮影/写真部・小山幸佑)

百万石/東京都台東区柳橋1-12-12(営)11:45~13:30 18:00~21:00L.O.(休)土日祝 (撮影/写真部・小山幸佑)

百万石/東京都台東区柳橋1-12-12(営)11:45~13:30 18:00~21:00L.O.(休)土日祝 (撮影/写真部・小山幸佑)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、エッセイスト・安藤和津さんの「百万石」の「ひれかつ」だ。

【写真】「百万石」の店内はこちら

* * *
 母は東京・柳橋で料亭を営んでいて、私が幼稚園の頃からは店の真向かいにあった家で介護中の祖母と叔父、叔母たちと暮らしていました。当時は花柳界が華やかな時代で、夕方になると隅田川沿いの料亭街を芸妓さんたちが行き交い、三味線の音色が聞こえてくるような粋な花街の風情がありました。

 そんな中、何かある度「百万石とろうか」というのが母の決まり文句でした。当時の出前と言えば、ラーメンなど中華料理が一般的で洋食のとんかつは贅沢な食べ物。ただし私は食が細く、脂っぽい肉が苦手で……ところがここのひれかつは、それまでのかつとは別物。衣も肉もあっさりとしていて、初めて「美味しい!」と思ったんです。出前が待ち遠しかったですね。日本髪に白塗りの芸妓衆にも人気で、待合部屋で出前をとって、美味しそうにとんかつを頬ばる姿を微笑ましく思い出します。

 今では柳橋界隈も様変わりしましたが、当時の面影と味を残すこちらに伺うと、子供の頃の懐かしい日々が甦ります。(取材・文/沖村かなみ)

「百万石」東京都台東区柳橋1-12-12/営業時間11:45~13:30、18:00~21:00L.O./定休日:土日祝


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい