碓氷に片思いしていた名越が、彼に復讐(ふくしゅう)を図ろうって筋なんだけど、「オッホホ~、センパ~イ、そこにいるんでしょ~? ウッフフ~」なパーリー演技が気になってそれどころじゃない。

 不意に土砂降りの雨の中、2人の死闘が始まり、「お前は豚だあああッ! 家畜は食われろおおおッ!」と、遊佐がほえる。

 その瞬間、パーリーが子豚ちゃんになるカットがインサート。雨に打たれ震える子豚。なんなんだよ。「千と阿須加の神隠し」?

 そんなカオス状態を、子供・克喜が発砲してストップする。と、さっきまで、パーリーの太ももにボールペンぶっ刺していた遊佐が、おもむろに子供に説教だ。

「お前次第でこの世界はいくらでも変えられる。どんなことがあっても生きろ。這(は)いつくばっても明日を掴め」って、いつから君は金八先生に?

 エンディングには、サザンオールスターズのこれまたまったりとしたバラードが流れ、何から何まで「これじゃない」感が漂う。唯一わかることは、こんな何かっつーと発砲ばかりする警察が存在したら、リアルにニッポンオワール。

週刊朝日  2019年11月1日号

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カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

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