日本人の大腸は「劣化」している! その理由を医師が解説 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本人の大腸は「劣化」している! その理由を医師が解説

帝京平成大学教授・松井輝明医師 (写真/田村裕未)

帝京平成大学教授・松井輝明医師 (写真/田村裕未)

Q4:なぜ“大腸劣化”が起こるのですか?

 大腸劣化の根本原因は腸内フローラの乱れ。大腸内が細菌たちにとって棲みやすい環境ではなくなり、特定の菌種が減ったり、増えたりしてバランスが崩れるのです。腸内フローラの乱れが起こる最大の原因は腸内細菌のエサである食物繊維の不足です。特に近年は「炭水化物抜きダイエット」が流行しており、昔から日本人にとって重要な食物繊維源であった穀物の摂取が減り、食物繊維不足に拍車がかかっています。

 さらに炭水化物を抜く代わりに肉などのたんぱく質の摂取が増えると、今度は「ウェルシュ菌」などのいわゆる悪玉菌が増えてしまいます。腸内細菌にはそれぞれ好むエサがあり、私たちがどんな食事を摂るかで菌種同士の勢力図が変わってくるのです。また、運動不足も大腸劣化の原因です。じっと座ったまま動かない時間が長いと、全身の血行が悪くなり、筋力が低下して大腸の動きも悪くなります。特に中高年の方には食事を減らして体重を落とすより、体を動かして筋力をつけることをお勧めしたいですね。

Q5:善玉菌と悪玉菌の割合はどの程度が良いのですか?

 従来「善玉菌」「悪玉菌」、そのどちらでもない「日和見菌」の比率は2:1:7が望ましいと言われていました。しかし、これまで善玉菌と考えられていた細菌の中にも有害な作用をするものがあることや、逆に悪玉菌の中にも健康維持を助ける働きをするものがあることがわかってきました。そこで、現在は善玉菌、悪玉菌のバランスを考えるよりも、細菌の多様性、多様な菌種が棲んでいることが重要であると考えられるようになりました。

Q6:自分の腸内フローラの状態を知る方法はありますか?

 自分の便のにおいをチェックしてみてください。便のにおいが強い場合や、便の色が黒い場合は腸内フローラの状態が悪いと考えられます。

 腸内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると腸内で腐敗が起こり、便のにおいの源となる悪臭物質「スカトール」が発生するからです。この他、便秘や皮膚の吹き出物、化粧ののりの悪さなども腸内フローラの状態が悪くなっている目安になります。

Q7:本書をおすすめしたい人は?

 腸内フローラに関心のある方はもちろん、健康づくりに関心のある方、今後の自分の健康に不安のある方に読んでいただければと思います。たった2週間で自分の腸内フローラを良い状態に変えられます。そのための「大腸活十カ条」も紹介していますので、その日からすぐに大腸活を始めていただけます。

 実は、大腸内に棲む善玉菌の「ビフィズス菌」は年齢とともに減少してしまうので、中高年以上になると腸内フローラの状態はどうしても悪くなりがちです。中高年の方には特に、これからの人生を元気に過ごすための備えとして今のうちから大腸活に取り組んでいただきたいと思います。もちろん高齢の方も遅すぎるということはありません。現在ダイエット中の方にも、ご自分のダイエットが正しい方法かどうか確かめる意味で、ぜひ読んでいただけたらと思います。

(構成・中保裕子)

週刊朝日  2019年10月4日号


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